ハイスループット技術は、ゲノムワイドな遺伝子発現パターンの変化を読み解くための一般的なツールとなった。遺伝子発現パターンの機能解析は、生物学的知識の公開リポジトリにしばしばアクセスする必要があるため、困難な作業である。一方、多くの場合、研究者の探究心は、包括的な理解で満たされることがある。KEGG PATHWAYデータベースは、シグナル伝達やその他の細胞プロセスに関連するパスウェイ一式によって表される生物学的相互作用のマップを手動で検証したものである。発現量の異なる遺伝子をKEGGパスウェイに迅速にマッピングすることで、ハイスループットの発現データに対応する遺伝子リストの機能的関連性を知ることができるかもしれない。ここでは、ウェブベースのグラフィックツールKEGG Pathway Painter (KPP)を紹介する。KPPは、マイクロアレイやmiRNAプロファイリングによって生成された「過剰発現」または「過小発現」候補遺伝子の大規模セットを使用して、KEGGデータベースからパスウェイを描画する。KPPは、色分けされた候補遺伝子のリストをKEGGパスウェイに集約することで、グローバルなGE変化を高速かつ包括的に可視化する。KPPは自由に利用でき、http://web.cos.gmu.edu/~gmanyam/kegg/でアクセスできる。
http://web.cos.gmu.edu/~gmanyam/kegg/にアクセスする。
遺伝子リストはアップレギュレート遺伝子とダウンレギュレート遺伝子を別々のファイルとして準備する。各遺伝子リストは、各行に1つの遺伝子識別子を記述する。
Helpの例
識別子は NCBI Gene ID、Unigene cluster ID、NCBI GI Accession numberまたはGenbank IDを認識する。
アップレギュレート遺伝子とダウンレギュレート遺伝子のリストをアップロードする。
背景色とフォントカラーを選択できる。各パスウェイの最小遺伝子数 はデフォルトでは2となっている。
Exampleの例
発現が増加した遺伝子と減少した遺伝子は赤と青のボックスで表示される。緑色の背景の遺伝子は、種特異的な遺伝子を表す。
引用
KPP: KEGG Pathway Painter
Ganiraju Manyam, Aybike Birerdinc, and Ancha Baranova
BMC Syst Biol. 2015; 9(Suppl 2): S3