RNAの二次構造(2D)の可視化は、RNAの機能を理解するために不可欠なツールである。R2DTは、RNAの2次構造を、一貫性があり、認識可能で、再現性のあるレイアウトで可視化するために設計されたソフトウェアパッケージである。最新リリースのR2DT 2.0では、一塩基多型(SNP)やSHAPE反応性のような位置特異的な情報を表示する機能など、複数の重要な機能が導入されている。また、既存のテンプレートなしでRNAを可視化できる新しいテンプレートフリーモードや、制約条件付きフォールディングモード、アニメーションによる可視化もサポートされている。ユーザーは、R2DTダイアグラムを手動または自然言語プロンプトを使用してインタラクティブに修正し、新しいテンプレートを生成したり、出版品質の画像を作成することができる。さらに、R2DTは、より高速なパフォーマンス、拡張されたテンプレートライブラリ、互換性のあるツールやユーティリティのコレクションを備えている。すでに複数の生物学的データベースに統合されているR2DTは、RNAの2D可視化のための包括的なプラットフォームへと進化していて、https://r2dt.bioで利用できる。
Documentation
https://docs.r2dt.bio/en/latest/
Command line reference (CLI)
Command line reference — R2DT documentation
誰がR2DTを使っているか(HPより)
- RNAcentralは、2,000万以上のRNA二次構造を可視化するためにR2DTを使用している。
- PDBeはR2DTを使用して、配列、2D、3D構造間のインタラクティブナビゲーションを可能にしている。
- RfamとGtRNAdbは配列類似性検索でR2DTダイアグラムを表示する。
- FlyBase、SGD、PomBaseではRNA遺伝子のR2DT図を表示している。
- NAKBがPDBからRNAの二次構造を可視化するためにR2DTを使用している。
- RiboVision 2.0では、R2DTを用いてRNAの二次構造を可視化し、複数配列アラインメントや3次元構造と結びつけている。
webサービス
https://r2dt.bioにアクセスする。
R2DT(RNA 2D Templates)は、FASTA形式のRNA配列を入力し、テンプレートライブラリに基づいてRNA二次構造図を自動描画する。
RNAのfasta配列を貼り付けて提出する。

advanced parameter
Select a templateでは、R2DTが自動で選ぶテンプレートではなく、ユーザーがテンプレートを指定できる。通常はBrowse all templatesで一覧から選ぶ。Constrained foldingにチェックを入れると、R2DTがテンプレートに完全一致しない領域について、制約付きで二次構造を推定する。チェックなしの場合は、指定テンプレートに基づく描画が中心になる。デフォルトのチェックなしの場合は、指定テンプレートに基づく描画が中心になる。

(5S rRNAのように既知テンプレートがあるRNAでは、テンプレート指定は有効。別種の5S rRNAや配列に欠失挿入がある場合、ヒト5S rRNAテンプレートに固定すると、実際の構造とずれる可能性がある)
1つexampleを見てみる。

R2DTで生成されたRNA構造は、編集したり、画像やSVG形式でダウンロードできる。
Edit in RNAcanvasでは、RNAcanvasの通常編集画面で開く。塩基、塩基対、ラベル、全体レイアウトをGUIで調整する場合に使う。Edit in Exornataは、Exornataで開く。
Edit in RNAcanvas Codeは、GUI操作ではなくコードベースでRNA図を編集したい場合に使う。

Edit in RNAcanvasを選択した。

この例では、5S rRNAの構造がR2DTで描画され、そのままRNAcanvasに送られている。
新しいウィンドウが開く。このRNAcanvas上では、塩基やステム、ループの位置を手動で調整できる。論文用の図として見やすく整える場合や、ラベル位置を調整したい場合に使う。

RNAcanvasで編集すると図の見た目は変更されるが、二次構造の妥当性が自変わるわけではない。
こちらで使い方が説明されている。
Editing R2DT diagrams — R2DT documentation
今度は上のメニューからEdit in Exornataを選択した。新しいウィンドウが開く。Exornataは、RNA二次構造図を可視化・編集・共有するためのWebエディタ。

左側は編集メニュー、右側はRNA構造図のキャンバス
Editモードでは塩基を選択し、位置を移動させたりできる。右側のEDIT PANELには選択した塩基の情報が表示される。フォーマットモードでは、塩基対を修正できる。注釈モードではラベルを追加できる。

使用方法の詳細はUSER GUIDEで説明されている。
引用
R2DT: a comprehensive platform for visualizing RNA secondary structure
Holly McCann , Caeden D Meade , Loren Dean Williams , Anton S Petrov , Philip Z Johnson , Anne E Simon , David Hoksza , Eric P Nawrocki , Patricia P Chan , Todd M Lowe , Carlos Eduardo Ribas , Blake A Sweeney , Fábio Madeira , Stephen Anyango , Sri Devan Appasamy , Mandar Deshpande , Mihaly Varadi , Sameer Velankar , Craig L Zirbel , Aleksei Naiden , Fabrice Jossinet , Anton I Petrov
Nucleic Acids Research, Volume 53, Issue 4, 28 February 2025
R2DT: a comprehensive platform for visualising RNA secondary structure
Holly McCann, Caeden D. Meade, Loren Dean Williams, Anton S. Petrov, Philip Z. Johnson, Anne E. Simon, David Hoksza, Eric P. Nawrocki, Patricia P. Chan, Todd M. Lowe, Carlos Eduardo Ribas, Blake A. Sweeney, Fabio Madeira, Stephen Anyango, Sri Devan Appasamy, Mandar Deshpande, Mihaly Varadi, Sameer Velankar, Craig L. Zirbel, Aleksei Naiden, Fabrice Jossinet, Anton I. Petrov
bioRxiv, Posted September 30, 2024.
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