macでインフォマティクス

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HTS (NGS) 関連のインフォマティクス情報についてまとめています。

バクテリアゲノム上のプロファージ検索ウェブサーバー PHASTEST

 

 PHASTEST (PHAge Search Tool with Enhanced Sequence Translation) は、プロファージ検索ウェブサーバーPHASTとPHASTERの後継である。PHASTESTは、細菌ゲノムおよびプラスミド内のプロファージ配列の迅速な同定、アノテーション、視覚化をサポートするように設計されている。PHASTESTは、細菌ゲノム内の他のすべての遺伝子(タンパク質コード領域、tRNA/tmRNA/rRNA配列)の迅速なアノテーションと対話的な視覚化もサポートしている。細菌ゲノムのシーケンスが日常的に行われるようになったことを考えると、細菌ゲノムを包括的にアノテーションするための高速ツールの必要性がますます高まってきている。PHASTESTは、プロファージアノテーションをより高速かつ正確に行うだけでなく、より完全な全ゲノムアノテーションとゲノムの可視化機能を提供する。標準化されたテストでは、PHASTESTはPHASTERよりも31%速く、プロファージ同定において2-3%正確であることが分かった。特に、PHASTESTは典型的な細菌ゲノムを3.2分(生配列)で処理でき、あらかじめアノテーションされたGenBankファイルが与えられた場合は1.3分で処理できる。PHASTESTの細菌ゲノムのアノテーション能力が向上したことにより、全ゲノムのアノテーションに特に強力なツールとなった。さらに、PHASTESTは、より現代的で応答性の高い可視化インターフェースを提供し、ユーザーは、生成、編集、アノテーションインタラクティブな可視化(ズーム、回転、ドラッグ、パン、リセットによる)、カラフルで出版品質のゲノムマップを作成することができるようになった。PHASTESTは、プログラムクエリ用のAPI、ローカルインストール用のDockerイメージ、複数の(メタゲノム)クエリのサポート、数千のPHAST注釈済み細菌ゲノムに対する自動検索機能など、人気のオプションを提供し続けている。PHASTESTは、https://phastest.ca からオンラインで入手できる。

 

help

https://phastest.ca/instructions

 

webサービス

https://phastest.caにアクセスする。

New Searchを選択した。

 

New Searchでは、GenBankフォーマットファイルまたはFASTA DNA配列ファイルをアップロードする。

Enter accessionタブに切り替えて、GenBankのアクセッション番号を指定することもできる。

 

multi-fastaファイルをアップロードする場合、My input is ~にチェックを付ける(fastaのみ)。このオプションにチェックを入れずにmulti-fastaファイルを送信した場合、入力ファイルの最初の10配列のジョブを含むバッチが作成され、個々のゲノム配列として処理される(コンティグとして一緒に処理されなくなる)。SUBMITをクリック。



出力例

REGION SUMMARY

予測されたプロファージ配列領域が提示される。

summary.txtのリンクをクリックすると、レポートのサマリーをダウンロードできる。Download Resultsリンクをクリックすると、結果全てをダウンロードできる。

 

Phage Genesタブではファージの領域毎の結果を見ることができる。異なる色は異なるファージ領域を示している。

 

右端のshowをクリックするとその配列が表示される。

 

 

BACTERIAL GENEのタブでは細菌の遺伝子を確認できる。

 

Genome Viewer 2.0タブではタブではファージ領域のアノテーション付きの環状と線状のゲノムプロットを見ることができる。

 

 

図は自由に拡大縮小、スクロールできる。

また、個々の遺伝子や領域をクリックすると、その配列や拡大図が下部に表示される。

 

マニュアルより

  • (免責事項)PHASTESTは予測ツールであり、予測されたプロファージ領域は、実際のプロファージ領域と異なる場合がある。

引用

PHASTEST: faster than PHASTER, better than PHAST 
David S Wishart,  Scott Han,  Sukanta Saha,  Eponine Oler,  Harrison Peters, Jason R Grant,  Paul Stothard,  Vasuk Gautam
Nucleic Acids Research, Published: 17 May 2023