Long non-coding RNAs(lncRNA)は、タンパク質やDNAを含む他の分子と協調することでその機能を発揮する。一本鎖RNA(ssRNA)と二本鎖DNA(dsDNA)の相互作用によって形成される三重鎖構造(トリプレックス)は、lncRNAが生体内で特定のゲノム配列を標的とするメカニズムとして一貫して報告されてきた。計算ツール3plexを基盤として、本著者らは3plex Webを開発した。これはインタラクティブな可視化、統計的評価、ユーザーフレンドリーな下流解析ワークフローを統合することでRNA:DNA三重鎖予測を強化するアクセス可能なプラットフォームである。3plex Webは統計的評価のための入力ランダム化、三重鎖安定性のためのインタラクティブなプロファイルプロット、カスタマイズ可能なDNA結合ドメイン(DBD)選択といった新機能を実現している。本プラットフォームはPATOによる迅速な解析を実現し、従来手法と比較して処理時間を大幅に短縮すると同時に、遺伝子発現データを統合しlncRNAの調節機構を探索するためのSnakemakeワークフローを提供する。
3plex WebはオンラインWebサービスとしてこのhttps URLで無料で利用可能です。3plexのソースコードはhttps://www.3plex.unito.it/で入手可能であり、アプリケーションをSingularityイメージにセットアップするための定義ファイルと組み合わせて提供されている。
help
https://www.3plex.unito.it/help
webサーバー
https://www.3plex.unito.it/submit にアクセスする。
まず生物種を指定し、左下のパネルで単鎖RNA配列を、右下のパネルで二本鎖DNA配列をそれぞれ指定する。

ssRNAは.faファイルをアップロードするか直接配列をペーストする。またはGENCODE v37でアノテーションされた転写産物名で指定する。dsDNAは、対象となる二重鎖DNA配列のmulti-fastaファイルまたはBEDファイルをアップロードする。ヒトの場合、NCBIおよびEMBL-EBIから取得したアノテーションに基づき、転写開始点から-1500/+500 bpの範囲で定義された事前計算済みプロモーターセットを選択することも可能となっている。

MANE: Matched Annotation from NCBI and EMBL-EBI は人のトランスクリプト注釈から代表的なトランスクリプトセットを定義したもの(PubMed) . NCBIと EMBL‑EBIで完全に同一(スプライス構造・CDS・5’/3’末端を含め) のトランスクリプトペアを見つけ出し、それを「MANE Selectとしてラベル付けしている。ほぼすべてのタンパク質コード遺伝子に対してMANE Selectトランスクリプトが定義されている。
上の画像にあるように、ランダム化dsDNAも指定できる。ランダム化dsDNAボックスがチェックされていると、 3plexはターゲットdsDNA上の予測をそのランダムなDNA配列の比較結果と比較する。この機能は、検出されたTTSの数に対するp値を計算する。許可される反復回数は10、100、500、1000となっている(helpより)。
追加のパラメータを確認し、メールアドレスを記載してサブミットする。

ジョブが終了するまでしばらく時間がかかる。ジョブトークンが発行されるので控えておく。メールアドレスを書いておくと、ジョブ完了時に結果のリンクが記載されたメールが届くようになっている。
出力例
軸はssRNA配列または転写産物で、一番上のグラフがTTS count:予測されたtriplex形成サイト数(色で強度を表している)となっている。真ん中のグラフがSecondary structure でRNA二次構造の安定性を示している。3つ目のグラフが保存性で、転写産物を指定した場合、進化的に保存性が高いかどうかを示すグラフとなっている。一番下のグラフはRepeatsで、繰り返し配列領域かどうかを示している。画像の領域には繰り返し配列はほぼない(triplex形成に影響する可能性がある)。

上の画像では、この遺伝子転写産物の5'付近でTTSの強いピークが出ており、この領域でRNA-DNA相互作用(triplex)が安定して起こりやすい結果だと解釈できる。
Min stability thresholdのボタンを操作することで、TTSの強度が高いものだけ絞ることが可能。

結果は表にもまとめられる。

結果はメールに届いたリンクからもダウンロードできる。

詳細はhelpで説明されています。アクセスしてみて下さい。
引用
3plex Web: An interactive platform for RNA:DNA triplex prediction and analysis
Marco Masera ∙ Chiara Cicconetti ∙ Francesca Ferrero ∙ Salvatore Oliviero ∙ Ivan Molineris
Computational and Structural Biotechnology Journal, Volume 27p3110-31132025. 2025
https://doi.org/10.1016/j.csbj.2025.07.005
