ハイスループットシーケンスの時代においては、遺伝子バリアントの臨床評価には特別なソフトウェアが必要である。本著者らは、希少疾患遺伝学の分野の臨床医および研究者のために、使いやすいプラットフォームであるREEV(Review, Evaluate and Explain Variants)を開発した。補助データは公的データソースから集約された。臨床バリアント評価のためにREEVを他の7つのツールと比較した。REEVは、個々のACMG基準を(半)自動的に入力し、変異の解釈を容易にする。REEVはまた、症例に関連する疾患および表現型データを保存し、これらを表現型類似度の測定に利用できる。ユーザーは個々の変異に対して公開可能な永続リンクを作成でき、それをブラウザのブックマークとして保存したり、共有したりすることができる。REEVは、臨床および研究の両方の文脈において、遺伝子変異の迅速な診断的評価に役立つ可能性がある。REEV(https://reev.bihealth.org/)は無料で全てのユーザーに開放されており、ログインは不要である。
デモの結果を簡単に見ていきます。
https://reev.bihealth.org/にアクセスする。

右上からORCIDでログインする。
右上からダークモードに変更可能

バリアント(indel、SVも含む)を調べたいクエリを検索バーに入力する。

右端のリファレンスも指定する。
下の写真のように様々なクエリの指定方法がサポートされている (クリックするとクエリとして使用可能)

HGNCの記号、ID、gnomAD形式 (GRCh37-chrX-77245290-G-C) などの複数の記法でのバリアント情報のクエリをサポートしている。SVにも対応し、欠失だと"DEL:chr17:41176312:41277500"(17番染色体の欠失)など。
出力例

遺伝子名/エイリアス、機能に関する説明、外部リンク(PubMed, Ensembl, NCBI, UniProt, MGI)が表示される。
Gene Pathogenicityでは、gnomADやDECIPHERなどのデータベースをもとにしたLoss of Functionの関連統計値、DECIPHERスコア(LoF、ミスセンス、トリプレットなどの選択圧に関する指標)などが示される(画像ではNo Case HPO terms)。

その下のAssociated Conditionsでは、REEVが自動的に関連付けた疾患リストが示される。
それぞれにConfidenceと情報源が表示されている。右端からソート可能

その下には、該当する遺伝子のGTExデータセットを基にした組織特異的発現プロファイル(GTExへのリンクもある)、ClinVar Information(ClinVarに登録された 該当遺伝子のバリアント統計)、Variation Landscape(バリアントの位置分布)などがグラフに可視化される。

拡大縮小も可能
さらに下にはLiterature(PubTator3から自動抽出された該当遺伝子や関連キーワードを含む論文)のリンクやバリアントの詳細も示される。

(一部省略)
このデモデータではある遺伝子のイントロン末端付近に位置するバリアントを見ていて、それがスプライシング部位の喪失が予想されるバリアントかどうかも示される。

gnomADからのPopulation Frequenciesも示される。この遺伝子はgnomADではExomes, Genomesともにバリアントは検出されておらず、極めて稀な変異であるということになる。

引用
REEV: review, evaluate and explain variants Open Access
Dzmitry Hramyka, Henrike Lisa Sczakiel, Max Xiaohang Zhao, Oliver Stolpe, Mikko Nieminen, Ronja Adam, Magdalena Danyel, Lara Einicke, René Hägerling, Alexej Knaus, Stefan Mundlos, Sarina Schwartzmann, Dominik Seelow, Nadja Ehmke, Martin Atta Mensah, Felix Boschann, Dieter Beule, Manuel Holtgrewe
Nucleic Acids Research, Volume 52, Issue W1, 5 July 2024, Pages W148–W15
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