RNAシーケンシング(RNAseq)を用いた転写プロファイリングは、シングルセルから組織全体に至るまで、様々な文脈でのグローバルな遺伝子発現パターンを定量化するための強力な手法として登場した。このプロファイリング技術によって生成された膨大な量のデータは、結果を効果的に可視化して解釈するという点で、非常に困難な課題をもたらしている。研究者がRNAseqデータを簡単にアップロード、解析、可視化するためには、便利で直感的なデータインターフェースが不可欠であり。著者らは、これらの要件を念頭にSTART(Shiny Transcriptome Analysis Resource Tool)アプリを設計した。このアプリケーションは、ローカルコンピュータ上に常駐したり、ウェブベースの環境として機能したりできるパワーと柔軟性を備えており、研究者と共同研究者の間でデータを簡単に共有することができる。STARTアプリのソースコードはすべてRで書かれており、GPLv3でライセンスされたコードを https://github.com/jminnier/STARTapp から自由にダウンロードできる。Rがインストールされているシステムであれば、どのようなシステムでも起動できる。また、STARTアプリは研究者が一時的にデータをアップロードできるように、https://kcvi.shinyapps.io/START でホストされている。
exampleファイル
https://github.com/jminnier/STARTapp/blob/master/data/examplecounts_short.csv
https://kcvi.shinyapps.io/START にアクセスする。
またはNASCARのサーバにアクセスする。
http://nasqar.abudhabi.nyu.edu
1、START App
中央下が START App
NASCARはdocker imageを配布しているので、これを立ち上げて使用してもよい。
#pull all application images
docker pull aymanm/nasqarall:latest
docker run -p 80:80 aymanm/nasqarall:latest
ラウンチ後、http://localhost:80/にアクセスする。
カウントデータをアップロードする。
Gruop Plots
PCA Plot
Analysiss Plots
Scatter plots
グループを選択する。Gruop1とGruop2
Volcano Plot
Gene Expresion Boxplots
遺伝子を選択する。ここでは2つの遺伝子を選択してプロットした。
縦軸はlog2cpm_voomになっているが、log2cpmやcountに変更可能。
Heatmaps
ローカルマシンでwebサーバを立ち上げてSTART Appを使用する場合、以前はRのコンソールで多くの依存ライブラリをエラーなく導入しておく必要がありました。このため、いつでもどこでも使用するというには少し敷居が高かったのですが、NASCARのdocker imageに含まれてからは、必要な時にいつでも使えるようになっています。
引用
The START App: a web-based RNAseq analysis and visualization resource
Jonathan W Nelson, Jiri Sklenar , Anthony P Barnes, Jessica Minnier
Bioinformatics. 2017 Feb 1;33(3):447-449