macでインフォマティクス

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HTS (NGS) 関連のインフォマティクス情報についてまとめています。

MEGA11

 

 MEGA(Molecular Evolutionary Genetics Analysis)ソフトウエアは、計算分子進化の手法とツールの大規模なコレクションを含むまでに成熟した。ここでは、MEGAを種、病原体、遺伝子ファミリーのタイムツリーを構築するための、より包括的なツールにするための新しい追加機能について述べる。分岐時間と信頼区間を推定する方法は、ノードデーティングの較正制約とチップデーティング解析の配列サンプリング日に確率密度を使用するために実装されている。これらの方法は、時空間サンプリング情報で配列にタグ付けする新しいオプション、拡張されたインタラクティブなノードキャリブレーションエディター、タイムツリーを表示する拡張ツリーエクスプローラーでサポートされている。また、多種の配列アラインメントを用いて、ある種の対立遺伝子の中立進化確率を推定するベイズ法と、系統における進化速度の自己相関を検定する機械学習法が追加された。最尤解析に必要なコンピュータのメモリは再プログラミングにより大幅に削減され、グラフィカル・ユーザー・インターフェースは非常に大きなデータセットに対応できるよう、より応答性とインタラクティブ性が向上した。これらの機能強化により、ユーザーエクスペリエンス、結果の質、生物学的発見のスピードが向上する。ネイティブにコンパイルされたグラフィカル・ユーザー・インターフェースおよびコマンドライン版のMEGA11は、Microsoft WindowsLinux、およびmacOS用として、www.megasoftware.netで利用できる。

 

manual

https://www.megasoftware.net/docs

 

インストール

https://www.megasoftware.net/

 

プラットフォームとGUI/CUIとバージョンを選択後、右端のDownloadからダウンロードする。

 

実行方法

多機能なソフトウェアなので、配列を読み込んで系統推定する流れだけ紹介します。

 

Windows11で起動したところ。

 

Align => Edit/Build Alignmentを選択

パネルが出てくるので、Retrieve from fileを選択して準備した配列ファイルを指定する。

 

Alignment explorerウィンドウが出てきて、配列ファイルが読み込まれた。このウィンドウ上で配列名を変更したり、トリミングしたりといった編集を行える。

クリックして配列を選択後、Alignment by ClustalXを選択(長い遺伝子だとかなり時間がかかる)、

 

パラメータを確認後、多重整列を実行する。

 

しばらく時間がかかる。

 

ちなみにジョブはバックグラウンドで走っているので、メインウィンドウで別の操作も実行できる。

 

全部の配列が整列された(前の画像から配列数を減らしている)。

 

このウィンドウ上でData => Phylogenetic Analysisを選択、 

 

あるいはメインパネルでPhylogenyを選択する。

(既に他のソフトウェアで多重整列とギャップが多い領域などのトリミングを実行済みの場合もここから始める)

 

樹形推定の方法を選択する。ここでは高速なNJを選択した。パラメータを指定して実行する。

最尤法。ブートストラップ法の選択、置換モデルの指定、Gamma分布などの指定など。

 

Tree Explorerパネルに結果が出力された。

 

枝をクリックして特定の系統だけcollapse(枝を潰して表示)する。あるいはcollapseされているtipを展開する。

Rootingの方法も、Midpoint rootや手動選択など選べる。

 

Fontや文字サイズはStatisticsから変更できる。

 

ブートストラップ法を選択している場合、ブートストラップサンプリングからのコンセンサスツリーも表示できる。

 

結果はimageからビットマップ画像やベクター形式の画像として出力できる。

 

Newick形式の系統樹として保存。

 

距離行列の作成

 

最適な置換モデルの探索

出力例

出版品質の表として出力される。略称は下に説明がある。

 

置換の尤度計算。画像下のスタイルの表が出力される。

 

祖先配列の推定(樹形推定結果後)

 

コメント

非常に簡単にだけ説明しました。詳しくはオンラインマニュアルを参考にして下さい。下に分かりやすく説明している動画のリンクも貼っておきます。

引用

MEGA11: Molecular Evolutionary Genetics Analysis Version 11
Koichiro Tamura, Glen Stecher, Sudhir Kumar

Mol Biol Evol. 2021 Jun 25;38(7):3022-3027.

 

参考

How to Construct a Phylogenetic Tree in MEGA 11: A Step-by-Step Guide