macでインフォマティクス

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HTS (NGS) 関連のインフォマティクス情報についてまとめています。

生物学的配列の可視化のためにアップグレードされたイラストレーター IBS 2.0

 

 分子生物学や細胞生物学の分野において、様々な機能要素を持つ生体配列を可視化することは、科学的成果を発表する上で基本的なことである。しかし、現在使用されているアプリケーションの限界により、生物学的な模式図の作成にはまだかなりの課題が残っている。ここでは、タンパク質とヌクレオチド配列の両方の組織を図示するためのIBS 2.0と呼ばれる専門ツールを紹介する。IBS 2.0が提供する豊富なグラフィカル要素により、生物学的配列を簡潔かつ明瞭に表現することができる。さらに、IBS 2.0にはデータベース可視化モジュールが実装されており、UniProtおよびNCBI RefSeqデータベースから生体配列を一括して可視化することが可能である。さらに、設計効率を上げるために、既存の生物学的配列図のアップロード、検索、閲覧を可能にするリソースプラットフォームをIBS 2.0に統合した。さらに、カスタマイズされたWebサービスでの生物学的配列の可視化を支援するために、軽量なJSライブラリがIBS 2.0で開発された。最新版のIBS 2.0はhttps://ibs.renlab.orgで利用できる。

 

help(動画の解説もあります)

https://ibs.renlab.org/#/help

Database

https://ibs.renlab.org/#/db/browse

IBS.js(軽量で高速なJavaScriptライブラリ)

IBS 2.0: Illustrator for Biological Sequences

 

helpより

簡潔で繊細かつ正確な画像は、記述だけでは得られない大きなアドバンテージがあります。分子生物学や細胞生物学の分野では、タンパク質やヌクレオチド配列の様々な機能要素を視覚化することが基本であり、読者に発見を簡潔かつ繊細に表現することを可能にする。現在、生物学者が生物学的配列の模式図を描くには、一般的にMicrosoft PowerPointAdobe Illustrator、またはPhotoshopが使用されています。しかし、これらのソフトは画像操作の一般的なニーズに応えるために開発されたものであるため、生物学的配列中の機能的エレメントの位置や配置を正確に特定することはできない。そのため、これらのソフトウエアを用いて、十分な精度の配列構成図を作成することは困難です。このような状況を踏まえ、本著者らのグループは以前、タンパク質のグラフを段階的にプロットするためのDOGというソフトウェアを開発しました。その後、2015年にDOGパッケージを更新し、生物学者がタンパク質とヌクレオチドの両方の配列について出版品質の図を描くことを支援するための illustrator of biological sequences (IBS) という新しいツールをリリースしました。DOGとIBSは、その発表以来、科学者が出版された文献で新しい発見を発表するために、素晴らしい図をデザインするのに役立っています。

今回、IBSの応用範囲をさらに広げるために、アップグレード版であるIBS 2.0を発表します。IBS 2.0は、タンパク質配列とヌクレオチド配列のどちらにも対応するデュアルモードのユーザーインターフェースを備えており、実験者が簡単に模式図を作成することができます。現在発表されている論文を調査した結果、IBS 2.0では新しい機能要素を収集し、タンパク質とヌクレオチド配列の両方について、ドメイン組織、エピジェネティック修飾、および制御分子を表現するための、より豊富なグラフィックコンポーネントを使用できるようにしました。また、今回のアップデートでは、データベースの可視化機能も実装されました。

 

インストール

Github

 

 

webサービス

https://ibs.renlab.org/#/homeにアクセスする。

 

上のメニューからwebサーバーをクリックする。最初にproteinかnucleotideの図を作るのか選択する(パラメータが変化する)。

 

 

メニューボタン中央のdraw a protein/nucleotideをクリックする。

 

 

タンパク質配列が表示された。右側にはパラメータ設定メニューが表示される。

 

複数追加した時は左のIDから区別できる。

 

右側のパラメータ設定のpositionメニューでは、サイズを調整できる。protein1の幅を1000から500に変更した。

cooridinateやalignではxy座標での位置を調整できる。また、マウスでドラッグして自由に移動することもできる。

 

スタイルパネルでは、タンパク質の塗りつぶしのカラー、グラデーション、テクスチャー、高さを設定できる。色を赤系統にして、斜め線のテキスチャを適用した。



ボーダーパネルでは、タンパク質の枠の色と大きさを設定できる。Dashを選択すると、境界線を点線として表示することができる。枠を青色にして太くした。Dashも適用した。

 

 

 

 

上のメニューボタンも紹介していく。Domainボタンをクリックすると、クリックごとにDomainが1つ追加される。マウスでドラッグして左右に移動させることができる。

 

Domainを選択中は、右側のメニューがDomain設定メニューに変化する。色やグラデ―ションを変えたり、文字を表示させることができる。

 

Cutline ボタンでは、タンパク質やヌクレオチドに切断点がある場合、カットラインを追加できる。

 

テキストボタンからテキストを追加できる。

 

分子マーカーボタンから分子マーカーを追加できる。

 

線ボタンで線を追加できる。

 

ブラケットボタンからブラケットを追加できる。

 

サイトボタンからサイトを追加できる。

 

中央の開いた円はundoとredoボタン。他にも、画面を中央に戻すボタンや、新規キャンバスを作るボタンなどがある。

 

 

demoボタンでは、過去の論文からの図を表示できる。

 

 

図はダウンロードボタンから様々な形式でダウンロードできる。

 

 

 

Uniprotのタンパク質を視覚化するにはキャンバス右上のViwsualize from uniprotボタンをクリックする。

IDをタイプして検索する。

画像の下半分のウィンドウが検索結果。Visualize ボタンをクリックすると、その配列がキャンバスに視覚化される。

 

引用

IBS 2.0: an upgraded illustrator for the visualization of biological sequences 
Yubin Xie, Huiqin Li, Xiaotong Luo, Hongyu Li, Qiuyuan Gao, Luowanyue Zhang, Yuyan Teng, Qi Zhao, Zhixiang Zuo, Jian Ren Author Notes
Nucleic Acids Research, Published: 17 May 2022

 

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