微生物の分類学は、ゲノムベースの計算手法の影響を受けつつある。しかし、このような解析は複雑で、専門家の知識が必要となる場合がある。TYGS(Type (Strain) Genome Server)は、ゲノムベースの原核生物分類学のためのユーザーフレンドリーなハイスループットウェブサーバーであり、ゲノム、分類学、命名法に関する継続的に増加する大規模なデータベースに接続されています。TYGSは、ユーザーが定義した、あるいは自動的に決定された最も近い型のゲノム配列から、ゲノムスケールの系統樹と種および亜種の境界の最先端の推定値を推定します。TYGSはまた、命名法、同義語、および関連する分類学上の文献への包括的なアクセスを提供します。臨床的に重要な例では、以前に提案されたサルモネラ腸管の亜種を種レベルで分離した証拠など、TYGSが微生物の分類にいかに新しい洞察をもたらすかを示しています。TYGSは微生物の分類のための統合的なアプローチであり、世界中の微生物学者に新たな科学的アプローチを提供し、特に急速に拡大しているゲノムベースの新属、新種、新亜種の分類学的記述の分野に役立つものである。
News
https://tygs.dsmz.de/changelogs?category=all
FAQ
Type Strain Genome Server にアクセスする。
バクテリアゲノムのgbkファイルかfastaファイルをアップロードする。
近いゲノムは自動で選ばれるが、任意で近い分類群のタイプ株ゲノムも加えることができる(最大10個)。
メールアドレスを記載してsubmit this jobボタンをクリック。
計算にはしばらくかかる。テストした時は1時間半くらいかかった。
出力
TYGSのデータベースからクエリゲノムに最も近い20種類までのタイプ株が決定される。そして、データセット全体に対してゲノムベースの分類学的分析を行った結果が報告される。
Table1. 16S rDNA geneの系統解析結果
虫眼鏡のマークをクリックすると、オンラインで系統樹を見ることができる。
Table.2 同定結果。複数のゲノムをアップロードしている場合、それぞれのゲノムの同定結果が表示される。
Table.3 クエリとタイプ株のdDDHによるペアワイズ比較結果。dDDHの降順表示なので、一番上のゲノムが一番近いことを意味する。
Table.4 使用されたゲノムと文献情報の一覧。
一番下には使用されたMethodがまとめられる。
結果は個別のファイル、または統合されたPDFのレポートとしてダウンロードできる。
引用
TYGS is an automated high-throughput platform for state-of-the-art genome-based taxonomy
Jan P. Meier-Kolthoff & Markus Göker
Nature Communications volume 10, Article number: 2182 (2019)