ゲノムのハイスループットシーケンスの急速な発展により、豊富なエピジェネティクスマーカーを持つDNA制御要素が多数同定され、機能性ゲノム領域データの急速な蓄積が促進されている。ヒトの機能性ゲノム領域の網羅的な理解と研究は、現在でも比較的急務の課題である。しかし、既存の解析ツールは、これらの領域に対する広範なアノテーションやエンリッチメント解析能力を欠いている。そこで著者らは、ゲノム領域のアノテーションとエンリッチメント解析が可能なソフトウェア「Genomic Region sets Enrichment Analysis Platform (GREAP)」を開発した。現在、GREAPは、スーパーエンハンサー、転写因子、アクセシブルクロマチンなど、11種類のデータで634681107領域をカバーする85370のゲノム領域参照セットをサポートしている。GREAPは、ゲノム領域のアノテーションとエンリッチメント解析を広く提供している。エンリッチメント解析の有意性を反映させるために、超幾何学的検定を用い、Locus Overlap Analysisも提供している。以上のことから、GREAPは、多くの種類のゲノム領域セットをユーザーに提供し、ゲノム領域のアノテーションやエンリッチメント解析をサポートする強力なプラットフォームであると言える。また、カスタマイズ可能なゲノムブラウザを開発し、可視化のために400000000以上のカスタマイズ可能なトラックを備えている。このプラットフォームは、http://www.liclab.net/Greap/view/index で自由に利用できる。
http://www.liclab.net/Greap/view/index
Analysisをクリック。
Analysis
hg19かhg38を選択後、ゲノム領域リストまたはベッドファイルを入力する。画像はexample。
オプション リファレンスセットのクラスとサブクラス、解析に必要なオプションのパラメータを選択します。
ハイパージオメトリック検定、Applied on your submitted regionsを選択。
Custome Analysisでselect allを選択。99の細胞/組織を含むdbSUPERデータベースと著者らが開発したSEdbデータベースを選択。
解析する。ユーザーが選択したリファレンスコレクションに入力されたアノテーションを行い、ゲノム領域の交差数に応じてハイパージオメトリックテストやLOLAによるエンリッチメント解析の有意性が算出される(テストしたときは応答せず)。
Browseページでは、ゲノム領域セットを素早く検索し、「Class」と「Sub Class」を使ってフィルタリングするためのインタラクティブなテーブルとして構成されている。ドロップダウンメニューの「Show entries」をクリックすると、1ページに表示されるレコード数を変更することができる(マニュアルより)。
(アクセスしたときは一部機能が動作せず)
引用
GREAP: a comprehensive enrichment analysis software for human genomic regions
Yongsan Yang, Fengcui Qian, Xuecang Li, Yanyu Li, Liwei Zhou, Qiuyu Wang, Xinyuan Zhou, Jian Zhang, Chao Song, Zhengmin Yu, Ting Cui, Chenchen Feng, Jiang Zhu, Desi Shang, Jiaqi Liu, Mengfei Sun, Yuexin Zhang, Huifang Tang, Chunquan Li
Briefings in Bioinformatics, Volume 23, Issue 5, September 2022