オミックスデータは大量に生産され、通常、高度な可視化解析が必要とされる。これらの解析にはプログラミングのスキルが必要な場合が多く、実験生物学者にとっては難しい。したがって、より使いやすいツールが早急に求められている。
本発表では、オミックスデータの可視化解析を簡単に行うことができるWebアプリケーション、GraphBioを紹介する。GraphBioは、ヒートマップ、ボルケーノプロット、MAプロット、ネットワークプロット、ドットプロット、コードプロット、パイプロット、象限図、ベン図、累積分布曲線、主成分分析(PCA)、生存分析、受信者動作特性(ROC)分析、相関分析およびテキストクラスタ分析など15の一般的な可視化分析方法を提供する。プログラミングのスキルを持たない実験生物学者でも、一般的な可視化分析を簡単に実行し、出版に適した図を得ることができる。
GraphBioは、オンラインWebアプリケーションとして、http://www.graphbio1.com/en/(英語版)およびhttp://www.graphbio1.com/(中国語版)で自由に利用することができる。GraphBio のソースコードは https://github.com/databio2022/GraphBio で公開されている。
HPより
GraphBioは、オミックスデータを可視化するための様々な機能モジュールを搭載しており、各モジュールは同じデザイン原則に基づき、ユーザーが簡単に使用できるように設計されています。入力ファイルにはcsv、txt(タブ区切り)、xls、xlsxを、図はpdf、png、jpeg、tiffをサポートしており、簡単にダウンロードすることができます。
http://www.graphbio1.com/en/かhttp://www.graphbio1.com/にアクセスする。
左のメニューから選択する。helpやFAQも用意されている。
Heatmapを見てみる。ファイルをアップロードする前に、右側のメニューにあるview example fileボタンをクリック。
アップロードするファイルのスタイルを確認する。遺伝子発現のテーブルになっている。
参考例のファイルをもとに、ファイルを作成する。作成したファイルは4つの形式(csv, txt, xls, xlsx)のいずれかで保存する。1ファイルあたり5MBまでの制限があるので注意。NaN値(数値に表せないセル)は許容されない。
任意でサンプルの属性を表すメタデータファイルも作成する。Test1,3,5がgroup1、Test2,4,6がgroup2となっている。
ファイルをアップロードする。ここではrun exampleボタンをクリックした。
表示された。図は右のメニューからカスタマイズできる。
ほかのデモデータ作図結果も見てみる。
Venn Diagram
Volcano Plot
Cluster Analysis (Text cluster)
Dot plot
Style1
Style2
Correlation Analysis
Scatter Plot
Correlation Analysis
Pie Plot
Cumulative Distribution Curve
Survival Curve
ROC curve
MA Plot
Four Quadrant Diagrams
PCA analysis
Network Plot
GOplot
引用
GraphBio: A shiny web app to easily perform popular visualization analysis for omics data
Tianxin Zhao, Zelin Wang
Front Genet. 2022 Sep 7;13:957317