植物抵抗性遺伝子は、様々な病気や害虫に対する植物の防御システムにおいて極めて重要である。これらの植物特異的遺伝子は、植物に侵入する病原体に関連する特定の分子パターンを識別するタンパク質をコードしている。これらの抵抗性遺伝子が活性化されると、抗菌性化学物質の合成、細胞壁の強化、感染細胞におけるプログラムされた細胞死の誘発などの防御反応の活性化に至る一連の分子プロセスを開始する。植物抵抗性遺伝子は非常に多様であり、いくつかのクラスとサブクラスが広範な植物種で見つかっている。新しい抵抗性遺伝子(Rgenes)の同定は、病害抵抗性育種の重要な要素である。それにもかかわらず、野生種や近縁種の植物のR遺伝子を同定することは困難であるだけでなく、時間もかかる。本研究では、深層学習ベースのハイスループットRgenes予測ツールであるPRGminerを紹介する。PRGminerは2つのフェーズで実装されている: フェーズIは入力タンパク質配列をRgenesまたはnon-Rgenesとして予測し、フェーズIIはフェーズIで予測されたRgenesを8つの異なるクラスに分類する。テストされたすべての配列表現の中で、ジペプチド組成はフェーズIで高いマシューズ相関係数(トレーニング0.98、独立テスト0.91)と最高の予測性能(k-foldトレーニング/テスト手順で98.75%の精度、独立テストで95.72%)を与え、フェーズII(k-foldトレーニング/テスト手順で97.55%の総合精度、独立テストで97.21%)のMCC値はk-foldトレーニング手順で0.93、独立テストで0.92であった。PRGminerは、https://kaabil.net/prgminer/ から自由にアクセスできるウェブサーバーとして利用可能で、https://github.com/usubioinfo/PRGminer からダウンロード可能なスタンドアロンツールとしても利用できる。PRGminerは、研究者が新しい抵抗性遺伝子の発見を加速し、植物の抵抗性の遺伝的基盤を理解し、病気や害虫に抵抗性のある植物を育種するための新しい戦略を開発するのに役立つ。
Help
https://kaabil.net/prgminer/help
Tutorial
https://kaabil.net/prgminer/tutorial
インストール
Start analysisをクリック。
NCBIやUniprotのタンパク質配列識別子を入力するか、配列を直接貼り付ける。あるいはタンパク質のFASTAファイル( .fasta, .fa, .txt)をアップロードする。最大ファイルサイズ:10MB
解析フェーズを選択する。
フェーズ1: R遺伝子の検出 (バイナリ分類)
フェーズ2:R遺伝子ファミリーの分類

最後にRun Predictionをクリックするとサブミットされる。
ここではexamleをロードした。

出力例
上のSelect PhaseをクリックするとPhase IとPhase IIの結果が切り替わって表示される。
Phase I

Phase Iの内訳

RGene:植物抵抗性遺伝子として同定された配列
Non-RGene:植物抵抗性遺伝子の特徴を示さない配列
Phase II

結果の表には、配列IDと基本情報、予測結果(R遺伝子または非R遺伝子)、予測結果の信頼度スコア、R遺伝子の詳細分類が示されている。色は信頼性の高さを表す(下画像上の凡例参照)。

Visualizationタブ

Class Detailsタブに移動した。Phase IIの分類は以下の通り説明されている。

1 cnl (cc-nbs-lrr)
コイルドコイル、ヌクレオチド結合部位、ロイシンリッチリピートドメインを持つ。病害抵抗性シグナル伝達に重要。
2 RLK(受容体様キナーゼ)
細胞外認識ドメインと細胞内キナーゼドメインを持つ膜貫通タンパク質。病原体の認識とシグナル開始において重要。
3 KIN(キナーゼ)
リン酸化に基づくシグナル伝達に関与するプロテインキナーゼ。免疫応答の活性化とシグナル伝達に重要。
4 LECRK(レクチン受容体キナーゼ)
レクチンに基づく認識とキナーゼシグナル伝達を組み合わせた膜貫通タンパク質。病原体の検出に重要。
5 LYK (リシンモチーフキナーゼ)
キチンや他の病原体関連分子パターンを認識するリシンモチーフを持つレセプターキナーゼ。
6 RLP (レセプター様タンパク質)
キナーゼドメインを持たない表面受容体で、しばしば共受容体と協働する。病原体の侵入に重要。
引用
PRGminer: harnessing deep learning for the prediction of resistance genes involved in plant defense mechanisms
Naveen Duhan, Rakesh Kaundal
Front. Plant Sci., 03 June 2025
