macでインフォマティクス

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HTS (NGS) 関連のインフォマティクス情報についてまとめています。

種の分岐年代に関するリソース TimeTree 5 (TToL5)

 

生命のタイムツリー・プロジェクトの成果である「TimeTree of Life」リソースの第5版(TToL5)を発表する。このプロジェクトは、公開されているモレキュラータイムツリーを統合し、進化に関する知識を誰でも簡単に利用できるようにすることを目的としている。TToL5のウェブポータルを使えば、ユーザーは公開された研究や種間の分岐時間、生命の起源から始まる種の進化のタイムライン、そして希望する分類階級における特定の進化群のタイムツリーを取得できる。TToL5には137,306種の分岐時間情報が含まれており、前版より41%増加している。TToL5のウェブインターフェースは、包括的なソースコードリファクタリングにより、アメリカ障害者法(ADA)に準拠し、モバイル対応も実現した。また、TToL5はアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を通じて、種の分岐時間やタイムラインへのプログラムによるアクセスも提供しており、timtree.temple.edu/apiから利用できる。TToL5は一般にはhttps://timetree.org/

で公開されている。

 

Book (個人の研究や教育目的での利用に限り提供されている)

https://timetree.org/book

FAQ

https://timetree.org/faqs

Poster

https://timetree.org/public/data/poster/timetree_lg.jpg

 

webサービス

https://timetree.org/にアクセスする。

 

Get Divergence Time -  選んだ生物種や分類群のペアの分岐年代を示す。

 

種名や分類を指定する。



 

出力例

Adjusted Time: 484 MYAと表示された *1。

中央値とその信頼区間はTToL5データベースから導出されている。太陽光度(最も左、赤)、全球のCO2濃度(左から2番目、オレンジ)、O2濃度(左から3番目、黄色)、および主要な地球への衝突イベント(円)も表示されており、ユーザーが切り替えることができる(論文より)。下には年代推定に使用された文献情報が表示されている。このランでは15 Studies使用された。図の右端の黒丸:●はそれぞれの文献を示している。

 

 

Get an Evolutionary Timeline - 選んだ生物種または分類群に関して、進化的な分岐のタイムライン(系統的な分岐年代)を示す

出力例

Get an Evolutionary Timeline機能では、すべての細胞性生命の起源から対象の種までの進化のタイムラインが作成される。

 

黒丸や白抜きの丸をクリックするとその時点の分類が表示される。

Get timetreeをクリックすると下のBuild a timetreeが入力された状態にジャンプする。

                  ↓

 

Build a TimeTree -  複数の生物(種や分類群)を入力し、それらの間の進化的関係(系統)と分岐年代(divergence times)を示す系統樹(タイムツリー)を自動生成する

 

 

出力例

 

系統樹のノード上の青い点をクリックすると、NCBI名、分類学ランク、中央値、信頼区間が表示される。

 

Fungiとして、Orderレベルを選択した。

100 種程度まで入力可能。左のボタンから間隔を変えたり、ツリーファイルや全体の図をダウンロードすることが可能。

 

その他(FAQより)

  • TimeTreeの分子時計による推定時間は、科学文献から得られた公開された時間推定値を総合したものである。Kumarら(2022年)での時間推定の導出方法について詳しく説明されている。Hedgesら(2015年)も参照。
    以前は、親グループを特定できない場合、そのグループの代表として単一の種をツリーの先端に選んでいたが、TimeTree 5からは、これらのグループ自体が代表的な先端として扱われている。TimeTreeで見つからない種を探す場合は、NCBI分類ブラウザを使って親グループを特定する。
  • 多数の研究と不一致がある場合は不一致を最小化するものを採用している。生命の樹の多くのノードは解決が不十分であり、この解決策の堅牢性は既存データに依存している。研究者は最新の系統学文献を参照することを推奨する。
  • ポリトミー(polytomy:ある共通祖先から3つ以上の系統が同時に分岐しているように見える部分)が観察されることがあるが、これはTToL5に含まれる研究間で、種の関係や分岐時間の解像度が食い違っていることに起因する系統学的不確実性を反映している。

引用

TimeTree 5: An Expanded Resource for Species Divergence Times 

Sudhir Kumar , Michael Suleski , Jack M Craig , Adrienne E Kasprowicz , Maxwell Sanderford , Michael Li , Glen Stecher , S Blair Hedges

Molecular Biology and Evolution, Volume 39, Issue 8, August 2022

 

*1

Adjusted Time: 研究間で時間推定に矛盾があるため、祖先ノードが子孫よりも若い年齢に割り当てられることがある。これらの時間を調整して得られる系統樹が超距離的(ultrametric)になるよう平滑化技術が用いられている。