citation geckoは、自分の研究において見逃している可能性がある文献を、引用のネットワークに可視化して発見を助けてくれるツールです。誰も引用していない論文は探せませんが、何度も引用されている自分の研究分野で影響力の強い論文を見つけることに適しています。
こちらの動画で簡潔に説明されています。
Citation Gecko: Literature discovery made easy.
(動画とは少しインターフェイスが異なるようです)
https://citationgecko.azurewebsites.net/にアクセスする。
まずシード論文を入力する。この場で検索するほか、文献管理アプリから取り込むこともできる。
ここでは検索する。”ミナイオン RNAウィルス”とタイプした。
いくつか論文がヒットした。著者や年代、ジャーナル名も表示されている。これらを頼りに関心がある論文を選択する。選んだ論文がシードとして働く。ミナイオンがまだ出ていないだろう1988年の論文は無関係と考え、チェックを付けなかった。
Add selected~をクリック。
視覚化された。初期はタイムラインで視覚化される。シードとした論文は黄色で協調されて、その論文で引用されている論文が灰色で表示されている(全ての引用が表示されているのかは調べていません)。
右上のボタンから形状を変えることができる。ネットワークビュー表示にした。
左上のスイッチボタンをクリックするとシード論文のみ表示できる。
2つのシード間で共有されている論文が気になる。ノードをクリックすると論文の情報が表示される。BEDToolsの論文だった。
irrelevantをクリックすると除外することもできる。
左側の論文リストを見ていく。シードとして追加したい論文があれば追加する。これによって、見逃していた関連性が高い論文を発見できる可能性がある。
選択した論文のノードがハイライトされ、ほかのネットワークは半透明に弱く表示されている。
この論文をシードに追加したいなら、リストの下にあるAdd as seedをクリックする。
追加すると新たに3つシード間を共有する引用の多いノード(サイズが大きさで判断できる)が見つかった。
これは自分が見逃していた引用数が多い影響力の大きな論文と考えられる。読んでみる必要がある。
矢印型のボタンをクリックすると論文にジャンプする。
確認してみると2015年に出たMinIONシークエンサーに関する論文であることが分かった。
M13ファージやヒト染色体を使ってバリアントコールのためのMinIONの性能評価をしている論文で、関連性が高そうである。
左端のメニューバー一番下のボタンでは、条件によってノードをフィルタリングできる。
タイムラインビュー表示は時系列表示されているので昔に出た影響力の大きい論文を見つけるのに適してそうです。アクセスしてみて下さい。
引用
https://github.com/CitationGecko
参考
Local Citation Networkの開発者のTim Wölfleさんの記事が大変参考になります。
Local Citation Network and Citation Gecko: making literature discovery fun - Leiden Madtrics
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