macでインフォマティクス

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HTS (NGS) 関連のインフォマティクス情報についてまとめています。

16S rRNA OTUピッキングと視覚化を行うデータベース OTUX

 

 多くのマイクロバイオーム研究では、リファレンスベースのoperational taxonomic unit (OTU)picking法を採用しているが、一般的には、完全長16S rRNA遺伝子のクラスタリングによって同定されたリファレンスOTUをカタログ化したデータベースに依存している。突然変異の蓄積率が16S rRNA遺伝子の長さ全体にわたって一様ではないことを考えると、(次世代シーケンシングプラットフォームによって生成された)「ショートリード」シーケンスクエリを使用して得られたOTUの同定または分類学的分類の結果は一貫性がなく、最適ではない精度である可能性がある。また、de novo OTUクラスタリングの結果も、シーケンスの対象とする超可変領域内(V領域)によって大きく異なる可能性がある。その結果、異なる科学研究でプロファイリングされたマイクロバイオームを比較することが困難になり、しばしば先行知識との関連で新しい知見を分析することが課題となっている。リファレンスベースのOTUピッキングのOTUXアプローチは、異なる16S V領域に対応するショートリード配列の異なるセットに対応できる「カスタマイズされた」OTUリファレンスデータベースを使用することで、これらの制限を克服することを提案する。OTUX-アプローチで得られた結果(OTUX-OTU識別子の観点から)は、他のOTUデータベース識別子/分類法、例えばGreengenesなどの観点からも「マップバック」したり、表現したりすることができ、研究間の比較を容易にすることができる。シミュレーションされたデータセットを用いた検証では、従来の方法と比較して、OTUX-アプローチを用いて得られたより効率的、正確、一貫性のある分類が示されている。

 

manual

https://web.rniapps.net/otux/manual.html

 

webサービス

safariを使うと選択ボタンなどが表示されなかった。chromeを使用した(macos10.14.6使用)。

 

ここでは視覚化の手順のみ簡単に紹介します。

https://web.rniapps.net/otux/にアクセスする。

f:id:kazumaxneo:20201103184501p:plain

 

上から3つ目のvisualzizeに移動する。

f:id:kazumaxneo:20201103184835p:plain

OTU pickingのJSONファイルをアップロードする。

f:id:kazumaxneo:20201103185053p:plain

Qiime出力の.txtしか持っていない場合、biom convertコマンドを使って.jsonに変換する(*1)。

https://biom-format.org/documentation/biom_conversion.html

biom convert -i table.txt -o table.from_txt_json.biom --table-type="OTU table" --to-json

 

 

1、Hierarchical Bar Chart(階層的バーチャート)

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各バーは分類学的レベルを表し、バーの長さはその分類群の豊富さを表している。初期は最高レベルであるphylumのレベルだが、バーをクリックすると下の階級に変更できる。図の白い部分をクリックすると1つ上の階級に戻る。

2、Zoomable Circle Packing

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各分類レベルは円で表現されている。

 

バブルをクリックすると拡大される。

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3、Zoomable Sunburst

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kronaと同様の表示形式で各分類のレベルが同心円で表示される。一番内側の円が最も高い分類階級で、外に向かうほど低い分類階級になっている。クリックすることでズームインできる。戻る際は一番内側の円をクリックする。

 

マニュアルではmothurを使ってOTU pickingを行い、OTUXで視覚化する流れがまとめられています。確認して下さい。

引用

OTUX: V-region specific OTU database for improved 16S rRNA OTU picking and efficient cross-study taxonomic comparison of microbiomes
Deepak Yadav, Anirban Dutta, Sharmila S Mande Author Notes
DNA Research, Volume 26, Issue 2, April 2019, Pages 147–156

 

*1

変換するにはbiom-formatをインストールする。condaで導入可能。

conda install -c bioconda biom-format -y